鳩山総務相が日本郵政の西川善文社長の再任に難色を占めている問題は、解決の糸口は見えず、「閣内不一致」とも言える状態が続いている。自民党内にも「パフォーマンスがすぎる」といった批判も出ているが、本人は気にする様子もない。なぜこれほど「頑固」なのか。真意はどこにあるのか。その人となりに迫ってみた。
負けん気というか、タブー破り?
鳩山氏の兄にあたる民主党の鳩山由紀夫氏は、2009年6月6日の演説で、
「今、永田町に2羽のハトが 麻生総理をつついているようでありまして、私は正攻法で、もう1羽の鳩は、 中から内臓をつついてしまうのではないかと…」
と、弟のことを表現した。もちろん、「中から内蔵をつついている」というのは、西川社長の続投問題のことを指す。
こうした「頑固さ」「強硬さ」は、最近に始まったことではない。そのうちのひとつが、いわゆる「ベルトコンベヤー発言」だ。07年9月25日の、安倍内閣の法相退任会見で、死刑の執行について
「『ベルトコンベヤー』って言っちゃいけないが、『乱数表』か分からないが、客観性のある何かで、事柄が自動的に進んで行けば、(執行されるのが)『次は誰か』という議論にはならない」
と発言し、波紋を呼んだ。そのわすか1か月後の07年10月29日には、東京・有楽町の外国特派員協会で、
「あの-、私の友人の友人が、アルカイダなんですね」
と発言。会場の記者たちを仰天させた。
これらの発言は「確信犯」だった様子だ。「ベルトコンベヤー」については、SPA!の08年12月30日・09年1月6日号で、
「法相になり、死刑を語るのはタブーという声をよく聞きましたが、話題にすることさえ敬遠する状況には挑戦してやろうと思い、ペラペラと喋った訳です。負けん気というか、タブー破りですね(苦笑)」
と、その狙いを明かし、「アルカイダ発言」については、「アサヒ芸能」08年1月24日号でのテリー伊藤さんとの対談で、「アルカイダ」とされた「友人の友人」について、
「インドネシアのチョウの標本商。ものすごく有名な人で、僕も20年ぐらい前から名前だけは知っているわけだ。それがどんどんイスラム過激派になっていって、アルカイダの協力者であるジェマア・イスラミアという組織と一体となってやっている。だから、昆虫関係の研究家で彼と友達だっていう人はいっぱいいるわけで、その人たちと私は友達だから、『友達の友達』っていうのは間違いないわけですよ」
と反発した。