住宅ローン破たんで競売 秋から年末に「急増」か

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   住宅ローンの支払いが滞り、マイホームを競売にかけられる人が増えそうだ。2009年夏のボーナスが激減することもあって、ローン破綻「6月危機」説を唱えるマスコミも出てきた。だが、住宅ローン相談の現場からは「本当のピークは秋から年末」という声があがっている。

滞納が始まって「競売」に至るまでは10か月から1年

   住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が2008年度に競売にかけた住宅は1万6577件で、記録が残っている02年度以降で最多だ。これを受け、朝日新聞(6月3日)や夕刊フジ(6月4日)が、夏のボーナス払いで返済に行き詰まり、ローンの破綻につながる「6月危機」を報じている。

   だが、住宅金融支援機構の広報担当者はこの「6月危機」説を否定する。08年度の数字は額面通りには受け取れないというのだ。旧住宅金融公庫から住宅金融支援機構に改組したのが07年4月。住宅競売の件数は、支援機構が本格的に業務を開始した07年下半期が約9500件、08年上半期が約8500件、08年下半期が約8000件と、むしろ減少しているという。この09年上半期も、「今のところリーマンショックの影響はみられない」そうだ。

   返済方法の相談件数も、06年度が約1万5000件、07年度が約1万1000件、08年度が約8000件と、減少傾向。また、通常は滞納が始まると返済方法の変更相談、任意売却の相談というプロセスを経るため、「競売」という選択肢はあくまで「最終手段」。加えて通常、手続きや契約の関係で、滞納が始まって「競売」に至るまでは10か月から1年はかかるため、2008年秋からの経済危機の影響が出るには早いという。ただ「今年夏以降からは何が起きるか分からない」とも漏らしている。

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