生活費減らしても、化粧品だけは落とさない
化粧品の市場規模はおよそ2兆円と言われ、そのうち2万円以上の「超高価格帯」化粧品が占める割合は数%程度だが、化粧品メーカー各社は相次いで新商品を投入し、年々拡大している。資生堂によると、07年の超高価格帯市場は04年に比べて24%伸びた。
高価格クリームの先駆けとして、9万4500円のクリームを2000年から発売しているコーセー。百貨店ブランド「コスメデコルテ」の最高級ライン「AQ」のなかでも、ひときわ高価格のシリーズ「ミリオリティ」を展開している。
「初年度は1万1000個売れて、それからも継続して売れている商品です。リーマンショック後の08年12月の販売数は前年同月と比べて、ほとんど変わっていません」
エイジングケア用のクリームだが、老化防止に「クリームだけは高いものを」という20~30歳代にも売れていている。
こんなアンケート結果もある。
ポーラ文化研究所は首都圏に住む15~64歳の女性1500人に、化粧品への「投資」意欲について09年4月に聞いた。
不況下で女性の45%が生活費を減らす予定としている一方で、化粧品への出費予定をたずねると、「スキンケア化粧品」購入者の76%、「メークアップ化粧品」購入者の73%が、「金額を増やす」「今までどおりの金額」と答えた。「金額を減らす」という回答は2割程度にとどまった。
「本音は減らしたいけれど年齢から考えてもこれ以上減らせない」(29歳 専業主婦)
「激安化粧品を使うと肌に良くない気がするので今の物より金額を落としたくない」(42歳 専業主婦)
というのが「変えない」派の理由だ。
一方、減らすという回答が多かったのは「飲食店での食事」(49%)と「ファッション」(42%)だった。