休眠宗教法人は、全国で5000弱にも
宗教法人「宇宙真理学会」のある香川県の総務学事課によると、法人設立は1983年。宗教施設や役員など、活動実態を確認して認証したという。その後、県内で本部を移転し、代表役員の住所が県内から長野県内に変わったと1994年に届け出があった。
報道では、94年以前にすでに宗教法人が休眠状態にあったともされている。そして、食品会社が、同年ごろに宇宙真理学会を買収した可能性を指摘している。朝日新聞の2009年6月9日付記事によると、香川県の本部は、誰もおらず、活動実態はなかった。長野県などのホテルにも信者がいないというが、香川県の総務学事課では、休眠状態であるかについて、「実態がある部分もあるので、そうは認識していません」と言う。売買については、「宗教活動に関与はできないので、把握しかねます」としている。
宗教法人は、全国で18万余ほどもある。文科省の宗教法人室によると、このうち休眠状態にある宗教法人は5000弱に上る。
休眠宗教法人について、同室では、解散などの制度はあるものの、関係者の協力がないと難しいと言う。
「宗教法人法上、信教の自由と政教分離の原則を最大限に保障しなければなりません。行政は解散命令を裁判所に請求できますが、あくまでそれは最終手段です」
法人売買については、「法の趣旨には反しますが、罰則規定はありません。そもそも売買を想定していないからです。そうなる前に、なるべく早く自主的に解散していくことが大事になります」と言う。
ネット上では、オークションなどで宗教法人の売買とも思えるような書き込みが見られる。こうしたことから、税制上の優遇措置を受けている以上、それが悪用されないよう対策を求める声も同時に出ている。