黒点がほとんど観測されなかった時期に欧州が寒冷化
一部では、今回の状況を、かつての寒冷期と結びつける動きもある。1645年から1715年にかけて、「マウンダー極小期」と呼ばれる、黒点がほとんど観測されなかった時期があったのだが、この時期はロンドンのテムズ川が凍るなど、欧州が寒冷化。農作物が実らずに、飢饉が発生したという。ただ、この時期についても、黒点の増減と寒冷化との因果関係は不明だ。さらに、最近の黒点が少ない点についても、国立天文台では
「諸説あるのですが、その原因ははっきり分かっていません。まぁ、『急速に寒冷化が進む』といったように、すぐに困ることにはならないでしょう。太陽は生き物みたいなものですし、すぐに今後の動きが予想できるようなものでもありません」
と、結局のところは「複雑なので、良く分からない」という立場のようだ。
地球温暖化問題の話題では必ずといっていいほど登場する、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)でも、07年発表の第4次報告書で、太陽活動についての検討を進めていくことを明らかにしている。ただ、太陽活動が温暖化や寒冷化にどの程度影響するかについての研究は、まだ進んでいないというのが現状だ。
いずれにしても、今後も、黒点の数の変化には注意が必要そうだ。