吉野家50店、サイゼリヤ30店 外食産業が中国中心に攻勢かける

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   牛丼チェーンの吉野家やイタリアン・レストランのサイゼリヤ元気寿司などの外食大手が、海外出店を積極化している。2009年度に、吉野家は50か店、サイゼリヤは30~40か店、元気寿司は10カ店程度を、中国や台湾、インドネシアなどの東南アジアを中心に出店する計画。なかでも潜在的なマーケットが見込める中国への出店を加速していく。

「牛丼マーケットを世界に広げる」

   海外出店について、吉野家ホールディングス(HD)は「米国と中国に傾斜していく」と意気込む。同社の海外店舗は2009年4月末時点で373か店。このうち米国には93か店を、中国は北京や上海、深セン、香港などに201か店を出店している。

   新たに出店する50か店は、米国と中国、東南アジアの合算の目標だが、同社は海外出店を強化する理由を、「国内の景気低迷というよりも、牛丼マーケットを世界に広げることを考えている」と説明。「これまで通り、需要を確認しながら出店を拡大していきたい」という。

   同社は09年2月に、海外事業を強化しグローバル化を加速するため、吉野家インターナショナルを設立。米国を除く中国・東南アジア、豪州などの海外戦略をプランニングしている。

   吉野家HDは、「米国はフランチャイズシステムを確立しているので、これを使って拡大。一方の中国は引き続き経済成長が見込めるし、潜在的なマーケットを見据えてスピードアップしていくことが、今後の収益拡大にもつながる」と話している。

元気寿司も中国参入、深センに1号店

   イタリアンのファミリーレストランを展開するサイゼリヤは、中国の北京や広州、台湾などに30か店を展開中。09年度にはほぼ倍増の30~40カ店を、中国やシンガポールに出店する計画だ。

   回転寿司チェーンの元気寿司の海外店舗は現在、香港39か店、台湾4か店、インドネシアとクェートの各1か店、米国のハワイ12か店とシアトル1か店を展開。これを2010年3月までに、米国に3か店程度、最も力を入れる中国・東南アジアについては「できるだけ多くと思っていますが、香港だけで早急に50か店にもっていきたいです」(広報担当者)と話している。

   中国本土への進出は、08年6月に結んだフランチャイズ契約を基づいて出店準備を進めているところで、09年度中をめどに、深センに1号店を出店する予定。元気寿司は「フランチャイズ展開を軸に、他社に先んじて進出していきたい」と意欲的だ。

   海外への出店攻勢が強まった背景には、国内市場の消費低迷が続いていることがある。また、円高で出店コストが減ったことが大きい。なかでも成長力のある中国や東南アジアに、安く出店できるチャンスとみている。

   世界的な日本食ブームなどの後押しもあって、海外の既存店での売上げも好調。海外でのフランチャイズ展開がようやく軌道に乗ってきたこともある。

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