人気アニメ・新世紀エヴァンゲリオンの新作映画公開に合わせて、9万円もする「ヱヴァケータイ」が発売されたが、初日で完売した。ネットオークションでも高値がつけられており、映画公式サイト内のブログでは、転売に苦言を呈している。
9万7000円もするのに、初日で予約完売
予約受付で2万台が完売したヱヴァケータイ「SH-06A NERV」
人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は、未来社会を舞台とした作品。人型の兵器「エヴァンゲリオン」に乗り込んだ少年・少女が、「使徒」と呼ばれる謎の生命体に立ち向かっていくストーリーだ。エヴァは1995年、テレビアニメの放送で人気に火がついた。1996年にはテレビの放映が終了したが、2007年には「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が公開され、人気が再燃。この新劇場版は全4部作が予定されており、2009年6月27日には2作目となる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の公開を控えている。
映画にあわせては、NTTドコモが、映画に登場する携帯電話をイメージしたヱヴァケータイ「SH-06A NERV」(限定3万台)をリリースした。事前予約受付が2009年6月5日に開始され、価格は店頭では一括払いで9万7440円にも関わらず、予約用に用意した2万台が初日で完売と、人気は健在らしい。
くわえて、映画の舞台となる神奈川県・箱根では町おこしも狙って、配給元とタイアップした「観光パンフレット『ヱヴァンゲリヲン箱根補完マップ』」が限定1万枚配布されることになった。パンフレットには、映画の中にも登場する19か所を記した。ファンにとっては、アニメロケ地観光は楽しみの一つとあって、2009年6月4日~6日の先行配布では、予定枚数の3000枚はすべてはけたという。なお、6月11日から残りの7000枚を配布していく。
「小銭稼ぎのための転売屋は、大嫌いなんです」
そんなエヴァ熱狂の中、これらの商品がヤフーオークションに出品されている。「ヱヴァケータイ」に関しては入札が最も多いもので87件、12万2000円がつけられていた。ほか、入札があるものでは10~12万円程度の値がつけられていた。出品数は50件近くだ。「箱根補完マップ」も同様で、30件近くが出品されており、500~1000円程度の価格がついている。
一方、映画公式サイト「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」内に掲載されているスタッフによるブログでは、商品がネットオークションで転売されていることに苦言を呈している。エヴァケータイの予約完売を話題にした2009年6月8日の記事では、「結構な高額商品ですのに、驚きです!!」とする一方で、「オークションに上がってる転売品」が気になるとつづる。ブログではさらに、こう書かれている。
「自分が好きでもないのに小銭稼ぎのために限定品を押さえて回る転売屋は、大嫌いなんですよ、私。
だって、そいつらのせいで、ホントに欲しいのに買えなくなる人が出てくるわけでしょ?そいつらがいなけりゃ、買えたのに。
で、買えなかった元凶である転売屋のオークション出品物を、定価よりずっと高い金額で落札するって・・・・・・それ、哀し過ぎますって・・・」
もっとも、無料の「箱根補完マップ」も出品されている事態に対しては、「近日中に、もっと入手しやすくしてもらうよう、お話し中です。あせらず、お知らせをお待ちください」とも書いていた。
ただし、ネット上では「限定で売らなければいいだろ」「欲しい人が全員買えるだけ生産しとけ」「需要と供給が一致してないから転売できるわけだろ」という声もある。