「救世主」か、それとも「経験豊かなベテラン」か
『熱病フットボール』などサッカー関連の著書が多数あるスポーツライターの金子達仁さんも「『ベスト4』という目標を達成するのは、容易なことではない」と厳しい見方だ。スポーツニッポンのコラム(09年6月7日付け)で「ファンも含めて、日本人のメンタリティーはそこまで達しているとは言い難い」と指摘している。
では、ベスト4進出のために解決すべき課題は何か? 特に気になるのは、過去3大会を通じて言われ続けている「得点力不足」の解消だ。
ウズベキスタン戦で決勝ゴールを決めた岡崎選手は23歳と若く、さらなる成長が期待されるが、イタリアのセリエAで活躍する森本貴幸選手(21)の招集を待望する声も強い。SNSサイト「mixi」の「サッカー日本代表」コミュニティでも、
「森本も確実にあるだろう。ものにできるかは、努力次第だけど、90分走れるとイタリア紙に評価されているから、そろそろ使えるかも」
「森本は、セリエAでの成功に慢心するような性格ではなく、来期は確実に2桁とって文句なしのエースになります! なので、早いとこ呼んでほしい」
と、森本選手に期待するコメントが書き込まれている。一方、新しい「救世主」ではなく、経験豊かなベテランを抜擢すべきだという意見もある。
「とかく日本人は若い選手にワッと群がる傾向があるが、彼らが本大会で結果を出せるかどうかは完全に未知数である」
そのように苦言を呈する金子達仁さんは「経験値を持つ選手」として、柳沢敦選手(32)の名をあげる。ドイツ大会のクロアチア戦で決定的なゴールチャンスを逃し、批判を浴びた柳沢選手だが、W杯の怖さを知り尽くしているだけに今度こそ期待できるのではないかとの考えだ。
「クロアチア戦でのミスを、3年間自問し続けてきたであろう男に期待する」