不況でも驚異的成長続ける 巨大小売業「アマゾン日本」の行方

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利益率も他の小売業と比べ、抜きんでている

   物流面でも、配送時間短縮のためテコ入れを図る。「アマゾン」の物流業務を提供する「アマゾンジャパン・ロジスティクス」は09年8月初旬に、「アマゾン堺FC(仮称)」を開業する予定だ。この「FC」とは「フルフィルメントセンター」の略で、「アマゾン」の倉庫のようなもの。「アマゾン」が直接小売で扱っている商品すべてがこの「FC」に集められ、配送されている。

   アマゾン堺FCは延べ床面積6万7923平方メートルで、現在千葉県で稼動している同6万2300平方メートルの「アマゾン市川FC」、同3万4145平方メートルの「アマゾン八千代FC」を超える規模を誇る。「アマゾン」としては西日本で初めての、巨大な物流拠点が築かれる。

   これによって、関西近郊や西日本のユーザーからの注文に対して、これまでは早くて翌日配送だったものが、当日配送可能となるものも出てくるという。前出の広報担当者は、

「効率化を念頭に、商品のクオリティを保ちながら、かつ、お客様への納期を守るために、今後も最善をつくしていきます」

と話している。

   ネット通販など流通の研究を行っている日月総合研究所によると、アマゾンの売上高(推定値)は06年度が約1600億円(前年度比45.5%増)、07年度約2200億円(37.5%増)、08年度が約2600億円(18.2%増)で、伸び率は2桁成長を続けている。消費不況の08年度は総合スーパーや百貨店も軒並みマイナス成長となっている中で、驚異的な数字だ。アマゾンが完全非公開としている利益率についても、「推定では他の小売業と比べ、抜きんでている数字」と同研究所の担当者は話す。

「自前の高度な物流オペレーションが利益率を保つ理由。ジュエリーや天文グッズなど新たに取り扱う商品も、書籍より明らかに単価が高い。一品あたりの配送コストが書籍とあまり変わらないシステムを構築できれば、利益率をさらに引き上げることも可能なのでは」
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