理論的には、将来なくなる可能性も
とはいえ、電子マネーの利用増による通貨流通の減少に問題点はないのか。前出の熊野さんは「大量の小銭を持ち歩くことなく楽に決済できる電子マネーは、利便性の方が大きい」とした上で、こう話す。
「貨幣の流通量が減ると、『貨幣がなくなるのでは』という議論にはなりやすい。たしかに理論的には、将来そうなる可能性もあります。しかし、現在では電子マネーが利用できる決済が限られています。あまりに高額な決済は出来ませんし、電子マネーが貨幣に取って代わるようなことがすぐに起こることはありえません」
一方、日本銀行決済機構局の中山靖司さんは、
「電子マネーの決済はいまのところ、あくまでも小銭のレベルですから、すぐには影響があるとは考えていません。ただ、将来、大口や新しい使われ方をされたら、万が一ということがあります。調査を続けている段階です」
と話していた。