「西武」「そごう」、イトーヨーカ堂のPBを販売
ミレニアムリテイリングは傘下の「西武百貨店」と「そごう」で、セブン&アイ・ホールディングスのPB食品「セブンプレミアム」を2月から売り始めた。イトーヨーカー堂やセブンイレブンで扱っているものだ。
西武百貨店池袋本店の食品売り場には、菓子や調味料など300品目を集めた専用コーナーがある。品ぞろえを充実させて、取り扱い店舗を増やしていく。
広報担当者は、スーパーのPBを扱うようになった理由を、こう説明する。
「消費が多極化し、百貨店でこだわりの品を買われるお客さまも、ものによっては安くていいというふうに使い分ける人が増えています。両方のニーズに応えられるようにしました」
衣料品のPBも08年秋に立ち上げた。
婦人服ブランド「BE-IN」は、百貨店のファッション性を保ちながら、同レベルのNBのおよそ6~7割程度という手頃な価格だ。紳士服と婦人雑貨のPBもある。
ミレニアムリテイリング広報担当者は、
「百貨店グレードでありながら、求めやすい価格で出していきます」
と話している。
ただ、PBのシェアが他店より多い大丸(J.フロントリテイリング)は、「20%のシェアは変えない」と話している。
「PBは在庫がかさむリスクが大きい」
という理由だ。
百貨店の多くは、NBに関して「消化仕入れ」という取引形態をとっている。商品の所有権を卸業者やメーカーに残しておき、店で売れたら仕入が計上されるという仕組みだ。これなら売れなくても百貨店の在庫にはならないが、PBではそうはいかない。
高島屋は、
「ノーリスクで商売をやっていくことはできませんし、他の百貨店との差別化もできません。リスクを回避した昔ながらのやり方では、百貨店の力がどんどん小さくなっていきます」
としながらも、
「業務効率化の流れで販売員を減らしています。PBを増やすことになれば、増員しなければなりません」
と話していて、PBのシェアを拡大することには慎重だ。
売上げが前年比2ケタ減と低迷する百貨店で、PBはうまくいけば突破口になるが、リスクも大きい。各社とも、どこまでやるか、手探り状態だ。