男性からのセクハラ相談は全体の10%
ところで、なぜ男性からの相談は増えたのか。前出の担当者によれば、男女雇用機会均等法が2007年度に改正され、男性に対するセクハラも対象となった。それが浸透しはじめたことが考えられるという。
「また、セクハラに対する意識が変わってきたことも挙げられます。女性に対するセクハラが社会的に認識されている中、同じようなことは男性にもあるよ、と。ただ、こうした話は以前から、潜在的にはあったと思います。これが意見として表に出てきたということもあるでしょう。1人1人が人権を認識する時代になってきたとも言えそうです」
一方、WEBサイト「セクハラ110番」を運営する、特定非営利活動法人セクシャルハラスメント協議会の代表・中田孝成さんは、こう話す。
「男性からのセクハラ相談は全体の10%です。相談内容は大きく分けて、(1)自分の言動がセクハラではなかったか(2)自分がセクハラの加害者として疑われている(3)セクハラを受けたというものです。いまのところは謝罪で済んでいるケースが多く、専門家を紹介する深刻な事案は少ないです」