長期金利上昇でも住宅ローン「下げ」の異常事態

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「50年固定、5%弱」はお得なのか?

   そうした中で、住宅金融支援機構は6月4日から、いわゆる「200年住宅」を対象とした「フラット50」を発売する。取り扱い金融機関は地方銀行や信用金庫、住宅ファイナンス会社など現在41行(社)で、大手銀行ではみずほ銀行とりそな銀行の取り扱いが決まっている。

   50年もの超長期で金利が固定される、この住宅ローンは、金利は年5%弱と高めだが、借り手にとっては毎月の返済額を抑えられ、かつ将来金利が上昇しても返済額が変わらない安心さがある。

   「200年住宅」の促進という、国の狙いもある。

   しかし、「フラット50」に対する銀行の目は冷ややかだ。「人生の半分をローンの返済に費やすことを選ぶ人が、果たしているのか」と、ある大手地銀の幹部は懐疑的にみている。

   銀行の住宅ローンの売れ筋は、固定金利期間3年。長くて5年、「固定」といえども、毎年見直す人も少なくない。

「借り手は短期と長期の住宅ローン金利とを比べて、金利がしばらく上がらないと予測すれば、返済比率を抑えるために固定期間の短い住宅ローンを選ぶ傾向にある」(前出の地銀幹部)。

   銀行側に、できるだけ金利変動リスクや貸倒リスクを抑えたいため、長期の住宅ローンを避けたいという思いが働いていることもある。

   金利の上昇局面では、借り手は低金利のうちに「長期・固定」で借りたいとのニーズが強まることはある。それを見越しての「フラット50」ではあるが、借り手にしてみれば、銀行の住宅ローン金利と1~2%もの開きがあってはなかなか手を出せない。

   借り手は金利に対して敏感で、「フラット50」のお得感が見えてこない。

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