メディアがこぞって取り上げ、広告効果は「大」
この不況下で「タダ」で飲み食いできるカフェとしてテレビや新聞がこぞって取り上げ、店には「一見さん」(初めてのお客)も多く訪れる。テレビで見て興味を持ち、本社への問い合わせも増えている。
また、通販もできる公式ホームページで、初めてのお客に限り全9種のおかきが入った「無料のお試しセット」を注文できる。通常1日の注文量が200~300セットのところ、メディアでフリーカフェが紹介されると翌日に3~5倍にはねあがる。
企業のブランディングや販促に詳しい日本ブランド戦略研究所の榛沢明浩代表は、こうみている。
「フリーカフェ単体では何の収益にもなりません。でも、試供品の一種として考えると、いろんなところで話題になっているので宣伝効果が大きいと言えるでしょう」
さらに榛沢氏は、おかきを百貨店の一角や街頭で配るほうが、人件費や場所代で意外とコストがかかると指摘する。一方、セルフ式の無料カフェなら接客しなくていいので、そんなに人を増やす必要はない。コーヒーなどの無料の飲み物は、作り置きしておけばいい。テーブルや椅子、食器などの備品も立派なものでなくても、タダなら誰も文句は言わないはず。
「お菓子や化粧品などのサンプルだけを集めた専門店はありますが、フリーカフェのような試みは他にないと思います。企業のキャンペーンとしてみても、おもしろいですね」
播磨屋本店は、霞が関店に続いて2009年内に東京・銀座と大阪・御堂筋にもフリーカフェをオープンする。