信用組合は消えてしまうのか 信用金庫に「1本化案」

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信金と信組、もとは同じ業態

   1990年に408あった信用組合は162にまで減った。このうち、地域の信組は約70%を占める。地域経済の、しかも中小零細企業の業績悪化によって、信組の不良債権比率は平均10.3%(07年度末)と高止まりしたままで、その数はまだ減るとみられている。

   09年2月16日には、山形信用金庫と山形庶民信用組合が合併して、「新・山形信金」が発足した。このように、信金と信組が合併するケースは増えている。

   信組は、奈良県や鳥取県などの5県ですでにゼロ。茨城県や青森県、大分県など1つしかない地域も11県ある。合併したくても周囲に信組がないのだから、地方銀行や信用金庫が吸収していくしかないというわけだ。

   そうした中で、「協同組織金融機関のあり方」を協議している金融審議会金融分科会第2部会が、5月29日の論点整理で示したのが、信金と信組の業態を「1本化」してしまう案だ。

   「業態のあり方」について、ある委員は「一方が他方に対して際立った特性のある金融機関とは必ずしも言えない」という。

   また別の委員からも「長期的にみて、現状の枠組みのままで信用金庫と信用組合の両者が個別の業態として成り立ち得ないのではないか」との声があがった。

   「利用者からみて、明確な違いがよくわからない」(委員)との意見もあった。

   いま、公的資金で「応急手当」をしておけば、その間に他との合併を模索することができるし、「(信金中央金庫と全信組連を合併して)もし業態が1本化されれば、信組は信金業界の資本支援制度を活用できる」(信金関係者)ので、結果的に公的資金が少なくてすむかもしれない。もっとも、信金業界の負担は増すが。

   そもそも、明治時代から信用金庫法ができて信金と信組が分裂した1958年までは、ずうっと「信用組合」だった。もとは同じ業態なのだから、1本化される可能性は少なくない。

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