「雑誌の『休刊』と同じで、『復刊』は難しいのでは」
一方、「ウェブ現代」初代編集長の元木昌彦さんは、
「(収益モデルが確立できなかった)オーマイニュースと構造は同じ」
と話す。その上で、
「『Web現代』の時代は、グラビアなどの有料コンテンツで、『トントン』になりかかっていたのですが、『モウラ』という形で大きくコンセプトを変えてポータルサイト化したものの、その次の展開が中途半端だった。『生協の白石さん』などの書籍に関しては、うまくいったのですが…。現段階では、講談社のデジタル事業は頓挫してしまったのでは。雑誌の『休刊』と同じで、『復刊』は難しいのでは」
と、厳しい見通しを示している。
また、同サイトの企画に携わったことのある関係者は、別の見方で、
「元々、社内のメインストリームではない人が集められてスタートしたため、当初は『寄せ集め』的なコンテンツが多かった。ところが、『デジタルが重要』ということになって、紙媒体の人も集められてきた。その結果、紙媒体出身の人からからすれば、(デジタル出身の人に頼らずとも)『自分たちだけでコンテンツを作れる』という思いがあったのでは」
と話す。いわば、デジタル部門が「空中分解」したとの見方だ。
講談社をめぐっては、08年11月期決算で、76億円という過去最大の最終赤字を計上したばかり。紙媒体がジリ貧と言われる中、デジタル部門に活路を見いだしたいはずの同社だが、それも頓挫した形で、先行きはますます不透明になってきた。