24時間営業を維持できなくなる?
前出のフランチャイズ店では、賞味期限が深夜1時に設定される場合、前日午後8時に弁当を半額にするなどしている。セブン-イレブンでは、賞味期限の2時間前に売り場から撤去する契約だからだ。廃棄コストも店側負担になっている。
店長は、見切り販売のメリットについて、こう話す。
「長くやっている店は、廃棄の感覚が麻痺しています。しかし、値引き販売すれば、廃棄分4、50万円のコストが例えば10万円に抑えられます。これで廃棄物が激減するので、環境にもいいはずです」
新聞各紙によると、ほかにも見切り販売導入の店があり、廃棄が半分に減って利益が3割以上増えたケースもあった。競争が激しくなっているため、希望する加盟店も増えているという。
推奨価格制は、セブン-イレブン以外でも採用しているコンビニは多いとみられている。各紙によると、その言い分としては、値引きを許すと、新鮮な商品を売っているイメージが損なわれる、利益率が下がって24時間営業を維持できなくなる、などがあるようだ。
ネット上では、値引きを歓迎する声はあるが、コンビニのビジネスモデルが破たんするとの危惧も多い。セブン-イレブンでバイト経験があるという岡山市の男性は、ミクシィの日記で「コンビニの場合は24時間営業で日に3度ほど入荷があります。そうすると新品の商品と値引きの商品が同時に並ぶということになります。お金を持っている人でも多少の味さえ我慢すれば値引き価格で変えるのですから新品の商品を買う人は激減するでしょう」と指摘した。
同社の持ち株会社セブン&アイ・ホールディングスの広報センターでは、「現在、社内で調査中の案件ですので、コメントは控えさせていただきたいと思います」と話している。