個人投資家のあいだで急速に広がっている外国為替証拠金取引(FX)。わずかな資金を元手に、高い倍率で投資するほど少額で大きく儲かる「レバレッジ」が人気の秘密だが、金融庁は、投資家保護の名の下にレバレッジの倍率を規制しようとしている。ところが、個人投資家は猛反対。しかも、レバレッジを抑えても投資家に不利になる可能性があるというのだ。
金融庁は「やり過ぎ」投資家に「規制不要」の声
金融庁が示しているFXの証拠金倍率(レバレッジ)は「最大25倍程度」。この案に対して、個人投資家は猛反対だ。
FXCMジャパンを傘下に抱えるGCIキャピタルのインターネット調査(411人が回答)では、個人投資家の84.7%が金融庁の規制案に反対している。反対する投資家の多くは運用額が20万円未満の投資家だった。
また、規制が導入された場合の投資行動については、「1回あたりの取引額を変える」と回答した投資家が24.6%。「取引をやめる」との回答も17.5%あった。
矢野経済研究所がまとめた「レバレッジ規制に対するFX投資家2665名の声」によると、投資家の78.8%がレバレッジ規制に反対している。賛成は6.3%だけ。取引履歴の長い投資家ほど反対する声が多くなっていて、5年以上の取引がある投資家は82.6%が反対。さらに、金融庁が示している「レバレッジ20~30倍」案にしぼると、90.5%が反対だ。
規制が導入された場合の投資行動については、「トレードスタイル・手法の見直し・検討」が35.1%、「取引をやめて他の金融商品への移行・検討」は21.7%いた。
投資は自己責任が原則だ。ある個人投資家は、「レバレッジは自分で選べる。20倍であろうが100倍だろうが、自分で選んで取引しているのだから、それで損が出ても自分の責任。金融庁はやり過ぎだ」という。