ウイスキー市場はここ10年連続して落ち込んでいたが、2008年秋頃から若者層に人気が出始め、浮上の兆しが見えている。ウイスキーをソーダ水で割った飲み方がウケているそうだ。そんな中、サントリーはウイスキーの09年生産量を前年より1.0%増やす。増産は11年ぶりのことだ。
自宅消費、飲食店での取り扱いともに伸びた
手頃な価格で初心者が挑戦しやすい「角瓶」の09年1~4月の出荷量は、前年同期比113%と伸びている。「角瓶」をソーダ水で割った「角ハイボール」という飲み方をテレビCMなどで提案し、若者にうけたようだ。
「家飲み、飲食店での取り扱いともに伸びています。女優の小雪さんを起用したCMの効果も大きかったと思います」(サントリー広報)
高級シングルモルトの「山崎」も09年1~4月の出荷量が前年同期比10%増と好調だ。
「もともとウイスキー愛飲者には定評がありますが、最近増えているのは角瓶を入り口にして、ウイスキーをもっと深く知りたいというお客さんです。バーでの取扱量がかなり増えました」(同)
ニッカも出荷量を前年より3%増やす
「竹鶴」「余市」や、手頃な価格の「スーパーニッカ」を発売するニッカも、09年の出荷量を前年より3%増やす。広報担当者によると、若者に「スーパーニッカ」が人気だという。
08年の国内ウイスキーの出荷量は前年比100.1%の723万ケース。シェア6割を占めるサントリーと、ニッカが増産することで、09年は「ウイスキー復権」の年となりそうだ。