女子高生らの「制服」人気で、私服から切り替える高校も出てきている。制服があるかどうかで学校を選ぶ傾向が強まっているためだ。背景には、「けいおん!」など学園もの人気アニメがあるとの見方もあるようだ。
人気の制服目指す受験生も
「高校に人気の制服があると、それを目指して受験することも多いようですよ」
制服生地の毛織会社の広報担当者は、「制服ブーム」について、こう話す。
かつて制服と言えば、「管理教育」の象徴的存在だった。そして、生徒らから服装の自由を望む声が強まったこともあって、私服を導入する高校が相次いだ。それが、最近は逆に、生徒らからも制服を望む声が強まっているというのだ。
千葉県松戸市の県立小金高校では、制服のない高校は敬遠されるとして、2011年度に私服から制服に全員切り替えることにした。同校の教頭は、その理由について、こう説明する。 「特に女子生徒から毎日違う服を選ぶのが大変という声を、保護者からはお金がかかるという声を聞いています。中学や塾から集めた情報から、私服を止めて制服の再導入を決めました」
同校によると、女子生徒らの中には、「なんちゃって制服」と言われるそっくりの私服を着て登校するのが1~2割もいた。
新制服のコンセプトは、「質実剛健――凛とした自由」。どんな制服にするかはまだ白紙状態で、生徒らと検討委を立ち上げて業者を選ぶプレゼンの準備をしている。制服再導入で個性が失われるとの声も生徒から出ているというが、教頭は「制服は本質的な個性ではなく、個性は生徒の活動やものの考え方に出ると考えています」としている。
制服人気の理由について、毛織会社では、初期費用がかかるものの長い目で見ると経済性がいいこと、学校の校風に合わせることができて宣伝にもなることなどを挙げている。