ネットの反応は「雑音ばかりではない」
次に、抽出された番組内容へのコメントについて、「どのような反応」なのかを分析する。コメントの感情表現を「肯定」「悲嘆」「軽蔑」「驚愕」「否定」「突込」の6パターンに分類している。「ネット用語」や顔文字などの独特の表現についても、「キター」は「肯定」、「ガクガク」は「驚愕」、「○○かよww」は「突込」など、様々な表現を分類し、どのようなシーンでどんな反応があるのかを解析できるようにしている。
こうして解析したコメントを集計し、番組が「どの時間に盛り上がっているのか」「どういった内容がどのように話題になっているのか」を見えやすくし、番組制作に役立てる。将来的には視聴者への番組推薦サービスも検討しているという。
NHK放送技術研究所の広報担当者は、「2ちゃんねる」をはじめとするネットの反応を「雑音ばかりではないと思っている」と評価する。「研究自体はまだ始めて間もないものなので、今後も制作サイドの意見を反映させながら続けていく」とし、文章の解析手法や、どのサイトのコメントを解析すると効果的か、などについて研究を進めるという。
また、NHKは最近、一部の番組をネット配信する「NHKオンデマンド」(08年12月開始)、番組と連動した動画サイト「NHK特ダネ投稿DO画」(09年3月開設)や、大手動画サイト「ニコニコ動画」に「NHKちゃんねる」を開設(09年4月)するなど、ネットへの進出が目立っている。
「スリー・スクリーンズ」、つまりテレビ、ネット、携帯電話の「コンテンツを視聴する3つの画面」に対してサービスを展開していこうという方針が出ており、前出の担当者は、
「テレビ以外の様々なツールでNHKに触れることができるよう、研究やサービスを積極的に進めていきます」
と話している。