健康志向ドーナツ続々登場 「絹ごし豆腐入り」「油で揚げない」

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   「豆腐を練り込んだ」「おからを使った」「油で揚げない」といった健康志向のドーナツが急速に広がってきた。材料の43%が絹ごし豆腐でできたドーナツは1個あたり148kcal。「ドーナツ=太りやすい」というイメージから脱却しようという狙いもありそうだ。甘さも控えめで、男性やお年寄りにも人気だ。

豆乳とオカラを使った、行列ができるドーナツ

プレーンは子供用茶碗で軽く1杯分の白米と同じ148kcal。豆腐どーなつ専門店ゆうゆう
プレーンは子供用茶碗で軽く1杯分の白米と同じ148kcal。豆腐どーなつ専門店ゆうゆう
「プレーンドーナツのカロリーは148kcalで、白米ごはん約90g(子供用茶碗で軽く1杯)と同じ。類似市販品の40~50%のカロリーです」

というのは、豆腐どーなつ専門店ゆうゆう(東京都国立市)の店主長岡和子さん。3年前にオープンし、2009年1月に現在の店舗に移転した。

   低カロリーの秘密は、材料の43%が絹ごし豆腐でできていること。ドーナツを揚げる油はオレイン酸が多く含まれているピュアひまわり油を使っている。オレイン酸には血液中の悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、健康に良いと言われている。

   プレーンのほかに、子どもに人気のチョコレート味もある。それでも1個あたり178kcalだ。値段は100~140円。

「甘さ控えめなので、男性やお年寄りにも胸焼けしないと人気です。うちのドーナツしか食べられなくなった、というお客さまも多くいらっしゃるようです」

   宅配も行っていて1日あたり平均500個売れる。夫婦で店を切り盛りしているので、大忙しだ。

   豆乳とオカラを使ったヘルシーなドーナツが人気の「はらドーナッツ」(神戸市)。2008年5月に神戸に1号店をオープンし、1年間で東京・吉祥寺、練馬、中野、京都など15店舗に拡大した。テレビや雑誌で相次いで紹介されたこともあって、休日には行列ができることでも有名だ。

   人気の理由は、神戸で昭和43年から営業する老舗の豆腐屋の豆乳とおから、国産小麦粉、上白糖よりも甘みのある三温糖などの厳選素材を使っていて、「安心して食べられること」が売り物だ。

   季節の野菜を使ったものもある(120~150円)。どれも素朴な味わいで、「お母さんが手作りしてくれた懐かしい味」がするそうだ。できたての温かいうちに食べるか、冷めてもオーブントースターで温め直すとよりおいしく食べられる。

「ふんわり お豆腐の素朴でい~~香りがします。食感ももちっとしてホント美味しい。これは私、全種類食べたくなって何回も通ってしまいそうな気がする(笑)」
「どれも揚げてるのにしつこさのない本当に軽い口当たり。外はサックリ中はフワフワでモチモチかつシットリ。油っこくないので、ドーナッツというより別商品を食べてる感覚です」

などと、実際に食べた人のコメントがブログにたくさん書き込まれている。

健康志向のドーナツは今後も増える?

   40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が疑われている(厚生労働省、国民健康栄養調査)。そんな人たちにも朗報なのが、油で揚げないドーナツだ。

   「miel(ミエル)」(大阪市)で売っているのは「焼く」ドーナツ。昭和の始め、神戸の下町でポピュラーだったおやつで、全国に広めようと05年に大阪に1号店を立ち上げた。現在は東京・銀座などに6店舗を展開する。

   焼くことで、こんなメリットがある。

「1つはヘルシーだということ。また、油は酸化しやすく、味の劣化につながりますが、焼いたドーナツは2~3日はおいしく食べられます」(広報担当者)

   焼いたドーナツはカステラのような味で和風のトッピングと相性が良く、きなこ、焼き芋、抹茶をブレンドしたドーナツもある。女性や中高年にうけがいいそうだ。

   日本洋菓子協会連合会が発行する機関誌「ガトー(GATEAUX)」の編集部員は、健康志向のドーナツは今後も増えるとみており、

「ここ数年の健康ブームで、以前に比べて素材にこだわった洋菓子が注目されています。ドーナツのほかにケーキでも野菜を使ったものが結構、出てきていますよ」

と話している。

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