朝日新聞「ボーナス40%減」 業界に衝撃が走る

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「企業年金」の補填問題も大きい?

   木部書記長は新聞社の広告収入について「これから回復する余地のないくらいの落ち込み」と表現する。これまでの労使交渉の中でも、経営者から再三「厳しい」という声が出ており、組合側も現状を認識せざるをえない環境だ。交渉の見通しについては、「一時金(ボーナス)を上げろ、という議論にはなりにくい」という。部数も横ばいか微減の社が多く、広告収入減の影響をもろに受ける形になっている。

   元朝日新聞の編集委員で経済ジャーナリストの阿部和義さんも、ボーナスカットの一番の原因は「広告収入の激減」だという。また、朝日新聞については「企業年金」の補填問題も大きいのでは、と指摘する。04年度以降の定年者について、年金の運用利率を5.5%から3.5%に引き下げているが、それでも追いつかない。金融危機による株価低迷など、運用状況の悪化が背景にある。

「09年4月以降、年金の補填に100億円とか200億円を拠出しなくてはいけないという話もあります。企業年金はとても運用できない状態のようです」

   また、新聞社の人件費について、「給与自体は一般企業と比べると、新聞社もテレビ局と同様に『高すぎる』のは事実だが」とした上で、「そういった『聖域』に踏み込んで(カットを)やらなければもたない」ほどの厳しい状況だと指摘する。

「アメリカでは新聞社が何社も潰れているが、日本でも2、3社に淘汰されるような時代になるんじゃないですか」
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