「年齢や性別など個人が特定できる情報を省き公表することもできた」
一方、毎日の同じ記事の中では、川崎市は、同市の対応に問題があったことを示唆している。市の医務監が、感染疑いの段階で「年齢や性別など個人が特定できる情報を省き公表することもできた」と言っているというのだ。
産経新聞の2009年5月20日付記事によると、東京都では、感染した八王子市の別の女子生徒について、同日深夜に学校名を伏せて公表した。記者側と押し問答になっても、高校が私立かどうかも明かしていない。帰国後に生徒が登校していないことから、学校名などは関係ないというのが理由だった。
結果的に、学校名などは、洗足学園高校の校長が記者会見するなどして分かった。
ネット上では、確かに、一部で高校バッシングも出た。しかし、感染した生徒らは、滞在したアメリカでもマスクを持ち歩き、帰国後すぐに発熱相談センターに連絡している。2ちゃんでは、「学校は叩かれるけど生徒は叩かれないと思うけどなあ」「お前らのせいで感染を隠すやつがあらわれたぞ!」「ネットなんか見なきゃいいんじゃね?」などと比較的冷静な見方も多い。
むしろ、市が感染疑いを隠して公表が遅れたことへの不信感の方が強い。「やっぱり隠蔽してたんだwwwww」「関西は開けっ広げでよかった」といった声がくすぶっている。
川崎市は、何もやましいことがないことを母親に説得し、個人が特定できる中身を省いた情報を公開して、不信の広がりをなくす努力をすべきだったのかもしれない。