独自のサービスが様々な議論が起こっているグーグルが、今度は新たな問題に頭を抱えている。同社が運営する動画投稿サイト「ユーチューブ」に、一部の掲示板利用者が殺到し、「ポルノデー」と銘打ち、大量にわいせつ動画をアップロードしたのだ。ユーチューブ側は動画の削除作業に追われているが、何故こんなことが起こってしまったのか。
「ポルノの日」と名付け大量にアップロード
騒動が起こったのは、2009年5月20日だ。米国で人気の動画掲示板「4chan(よつばちゃんねる)」と動画共有サイト「eBaum's World」の一部利用者が集結。この日を「Porn Day(ポルノの日)」と名付けた上で、ユーチューブに大量のわいせつ動画をアップロードした。動画には、動画内容とは関係ない「タグ」が付けられているのが特徴だ。このことから、今回の騒動は、例えば「何でもないキーワードで検索したら、何故かわいせつ画像がヒットした」と言うように、検索結果に影響を与えることを目的にした「いたずら」の一種だとみられている。
「子どもはネット上で不適切なコンテンツを見つけてしまうもの」
「フロンティ」と名乗るユーチューブの利用者は、英BBCの取材に対して
「ユーチューブが音楽の削除を続けているので(わいせつ動画投稿を)やった。これは4chanによる『じゅうたん爆撃』の一部だ」
と明かす。不適切な動画が誰でも見られる環境にアップロードされることについても、
「いずれにせよ、子どもはネット上で不適切なコンテンツを見つけてしまうもの。今回の爆撃は、数百万人が毎日見るウェブサイトに、いかに簡単にわいせつ動画をアップロードできてしまうかを示したものだ」
と、半ば開き直ってもいる。
ユーチューブ側も、すでに事態を把握している様子で、わいせつ動画が続々と削除されている。削除が完全に完了するまでには、数日かかる見通しだ。