新型インフル「水際対策」で防げず 強毒性だったら大変な事態に

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限界はあるが「すり抜けた」というわけではない

   成田空港では現在、各地からの医師や看護師など医療関係者約170人で検疫を実施している。ただ、成田空港検疫所の担当者は、「水際で100%阻止するのは無理」だと話す。1週間程度と言われる新型インフルの「潜伏期間」がその理由で、「検疫時点で症状がない方にはチェックのしようがない」と話し、未発症者には打つ手がない、といった様子だ。今後もし強毒性のインフルエンザが発生した場合でも、「今回の体制は強毒性のものを想定しての体制なので、基本的にやり方は変わらないのでは」との見方を示している。

   厚労省インフルエンザ対策推進本部の担当者も、「検疫の時点で発症していれば水際で抑えられるが、潜伏期間中であれば見つけにくい」とその限界を認める。また、質問票についても「きちんと申告しなかったり、症状があったのに『ない』と書いて出したりする人がいる可能性があるのも事実」とし、「感染や感染拡大を予防するために正しい知識を身につけてほしい」と警告する。

   ただし、今回の東京の女子高校生2人に関しては、水際対策が功を奏しているというのだ。

「検疫時に配布されたマスクを着け、発症後は発熱外来を受診している。検疫官のアドバイス通り行動していることで、家族にも感染していない」

   また、帰国時の機内で座席が近かった「濃厚接触者」に関しても、検疫により個人情報を管理していることで追跡が可能になっており、今回も状況を把握できている、として「決して検疫を『すり抜けた』というわけではない」と水際対策の効果を強調する。今後の水際対策についても、発生状況や伝播状況を検討しながら、「当面は続けていくことになる」としている。

   ただ、強毒性のウイルスが発生した場合については、「WHOの判断に連動しますが、02年から03年にかけ発生した『SARS』の時のような渡航規制をかけ、がっちり守るということになるでしょう」としている。

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