プロ野球・北海道日本ハムファイターズが「婚活」ブームにあやかり、野球場の観客席で男女の出会いの場を提供する「KONKATUシート」を発売した。男女100組計200人分の内、女性枠が即日で「完売」、男性は応募が十数人しかなかった。野球ファンも「肉食女子」と「草食男子」の世界になっているのだろうか。
「女性の応募がこれほど多いとは」
このイベントは、「ファイターズの試合を見て応援しながら結婚相手を見つけよう」と企画された。対象となるのは札幌ドームで行われる千葉ロッテ戦の09年7月11日と12日の2試合。参加費は一人2,000円(税込)で、18歳以上の男女各50組100人(両日の合計200人)がバックネット裏のC指定席に集合し「婚活」をする。
試合の1回裏、2回裏、3回裏、4回裏終了時に席を移動する「シャッフルタイム」や、グッズが当たる抽選会、ファイターズの応援フラッグを上げるといったイベントもある。「KONKATUシート」での観戦の様子は、大型ビジョンに映し出される。これが縁となり結婚にこぎつければ、試合の始球式の権利がプレゼントされる、というオマケ付き。
ファイターズ広報によれば、「KONKATUシート」の参加申し込み期間は09年5月18日から5月31日まで。応募が多い場合は抽選となるが、なんと女性の枠は初日の18日で定員を超えてしまったのだそうだ。一方、男性の応募者はというと、初日は十数人ほどだった。
「うちの球団のファンクラブの場合、男性よりも女性の方が多いということもありますが、女性の応募がこれほど多いとは」
同球団広報は驚きを隠さない。20日現在も男性からの応募は増えているが、やはり女性の応募が圧倒的だという。
一昔前なら、「お見合いイベント」は女性の参加者を集めるのに苦労する、というのが普通だったが、最近は様変わりして、「肉食女子」と「草食男子」の世界なのだろうか。
パーティー券、男子大学生には売れない
ネットでも「KONKATUシート」になぜ女性の応募が多いのだろうかと話題になっていて、掲示板やブログを検索すると、
「このご時世、男性は経済的に結婚に自信がないらしいよ」
「最近の『肉食女子』ぶりはすごいものですね。たぶん北海道に限った話ではないでしょう」
また、自称「草食系男子」という男性は、男性が参加できない気持ちがよく分かるとし、 「ペアで座って気楽に会話できるような男なら(女性との出会いに)苦労はしないわけです」
と書いている。
「婚活の傾向と対策」(グラフ社刊)などの著書がある臨床心理士の植木理恵さんこう説明する。
「大学生のパーティー券販売も、女性には売れても、男性には売れ行き不調のようです」
実は、大勢で集まるイベントの場合は女性が乗りやすく男性は躊躇する。男性の場合は少人数で集まる「合コン」の方が好きなのだそうだ。男性はもともと恋愛については「草食系」。昔よく言われた「男は恋愛でも女性をリードするもの」という幻想が、時代の変化と共に解かれた、ということなのかもしれない。