衣類、家電、家具などを扱う中古小売り市場が急成長している。不況も手伝って、新品の半額ほどで手に入る中古品を買う客が増えているためだ。それに、近年の「エコ」志向も追い風となり、各チェーンとも新規出店が相次ぐ。
中古のネット販売も広がる
関東中心に35店舗展開する、中古品販売店、トレジャーファクトリー(東京都足立区)。
1年程度使った中古は、「新品価格のおよそ5~7割で買える」という安さが魅力で、2009年3月の既存店売上高は2.5%増、4月は4.2%増と好調に伸びている。
新規店舗の出店にも力を入れていて、08年は埼玉に2店、東京に2店、千葉に1店の計5店舗と、服飾専門リサイクルショップを東京に1店舗出店した。09年はさらに7~8店舗増やす予定だ。
ちなみに、08年度の部門別の売上げは、新規出店もあって、衣料・服飾雑貨が30.2%増、生活雑貨は27.5%増、電化製品は27.2%増と、ほとんどすべてで20%以上増えた。
好調の理由について、同社広報担当者は、
「消費者の生活防衛意識が高まり、中古市場に追い風が吹いています。これまでリサイクル店を利用しなかったお客さまにも足を運んでいただけるようになり、裾野が広がっています」
という。
販路拡大のため、09年2月末から家電のネット販売も始めた。
「単身者や学生におすすめセット」というのは、3万9800円で冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジの4点がついてくる。例えば冷蔵庫のサイズは高さ1070mm~1140mm、幅476~480mm、奥行き500~590mmで、幅を持たせている。中古なので同じ商品を複数用意することが難しいためだ。年式、性能は同じくらいのものを集めた。メーカーや色を指定できないなど多少の不便はあるが、この値段なら、と納得して買う人も多いそうだ。
近年、ネットを利用した通販やオークションの利用が増えていることを受けて、中古市場でもネット販売を強化する動きが広がっている。中古車、バイク用品を扱うアップガレージも、「PCサイトとモバイルサイトでの販売に力を入れている」(同社)。