「生産性アップのため、自主的に取り組んでいる」
オフィスで立ちっぱなしの労働環境は、法的には何か問題はないのか。
秩父労働基準監督署の第一課長は、「初めて聞きました」と驚きながらも、次のように話す。
「労働安全衛生法では、工場などで持続的に立って仕事をする場合には、座ってもよい時間に従業員が利用できるイスを備えないといけないということになっています。デスクワークでもそうです。事例によりますので現場を調べないと何とも言えませんが、法に触れる可能性はあると思います」
一方、廊下を歩くスピードについては、一定速度以上と定めることを禁じる法的規制はないという。ただ、第一課長は、「速く歩いたために廊下でつまずいてケガをしたという労災事故の事例があれば、その場合は指導の対象になると思います」としている。
もっとも、ネット上でも、疑問や批判ばかりではない。2ちゃんでは、
「立ち作業なんて接客業はみんな一日中立ってるんだから大した問題でも無い」
「会議だけは全員立ってやったほうがいい 眠くならないし」
といった書き込みもある。10年近くも続けており、立ちっぱなしに慣れたり、休憩時間にどこかで座ったりすれば、それほどきつくない可能性もありそうだ。
キヤノン電子の秘書室では、「ネット上の騒ぎは存じておりませんし、問い合わせも特に聞いていません。生産性アップのため、自主的に取り組んでいることです」と説明。キヤノンの広報部では、「キヤノン電子に聞いてほしい」としている。