厚労省「不足していることはございません」
全国的にみて、タミフルの供給不足は起きるのか。
厚労省の結核感染症課では、タミフルの在庫について、「メーカーと問屋にたくさんあります。不足していることはございません」と強調。神戸市で一時的な供給不足が生じたことについては、兵庫県と同様な理由を挙げている。タミフルの薬価は公定価格になっており、問屋でもそれに準じた価格で販売されるとしている。
タミフルの備蓄については、人口の45%を目標に進めており、現段階で3400万人分を備蓄済みだという。結核感染症課では、「まだ患者が何万人という規模ではありませんので、市場流通分で対応できると考えています。備蓄を取り崩すところまで来てないということです」と話す。しかし、新型インフルのまん延状況によっては、取り崩しも考慮に入れるとしている。また、別の治療薬リレンザについては、470万人分を備蓄してあるという。
新型インフルに詳しい、けいゆう病院の菅谷憲夫小児科部長は、タミフルについて、こう指摘する。
「日本は、まだ第1波に至る前の段階で、新型インフルエンザがくすぶっているだけの状況だと言えます。この段階では、タミフルは十分あると思います。供給不足は、溜め込んでしまう病院があるので、問屋が関西に広く行き渡らせようと少ししか出さなかったためでしょう。3400万人の備蓄があれば、この冬ぐらいまでは大丈夫でしょうが、被害がひどくなれば足りるかは分かりません」