新型インフルエンザの国内感染者が続々と確認されるなか、大学は事態の変化に困惑している。関西では主要大学が続々と休講になる一方で、首都圏では、一度は「国内での感染が確認された時点で全学休講」としていた大学が、「強毒性ではないらしい」という理由で「方針転換」し、通常通り授業を行っている。
阪大、関西、関西学院など今週いっぱい休講
早大では、現在でも通常通りに授業が行われている
新型インフルエンザが、国内で人から人に感染したことが確認されたのが2009年5月15日。それからわずか3日後の5月18日には、国内で130人の感染者が確認された。
主に感染者が確認されているのは関西地区で、各大学が続々と対策を打ち出している。現段階で確認されているだけでも、大阪大学、関西大学、関西学院大学、神戸学院大学などが、主なキャンパスでの授業を今週いっぱい休講にすることを発表している。
首都圏の大学、例えば早稲田大学と日本大学は、新型インフルエンザに対するWHOの警戒レベルが「フェーズ3」から「フェーズ4」に引き上げられた4月28日には、「国内で人から人への感染が確認された際は全学休講」などとする対応を打ち出した。特に早大は、実家以外から通学している学生については実家への帰省を求めるなど、異例の内容を盛り込んだ。
ところが、両大学は、この方針を転換。現段階でも、通常通りに授業が行われている。早大は、5月2日には
「現時点では、必ずしも強毒性の致死性の高いものではないと判明しました」
として、当初の方針を事実上撤回。国内での感染が確認された後の5月17日には、
「現段階においては通常どおり、授業等の教育研究活動および課外活動を行います」
と「通常通り」との方針を打ち出している。
早大の広報課では、
「以前から強毒性のインフルエンザが発生した際の対応を決めてあり、4月28日の告知は、これに基づいたものです。ただ、今回のインフルエンザについては弱毒性だという指摘もあることから、会議を開いて対応を変更したものです」
と話している。