「英語の壁」突破しないと高度成長はできない
東証マザーズに上場するSNS大手のミクシィは、2か月前に年初来最安値(28万9500円)を記録したばかり。それを5月15日の終値で、前日比1万円高い42万5000円まで盛り返してきた。
ミクシィによると、09年3月期(連結ベース)の最終損益は19億4600万円、売上高は120億5200万円だった。モバイル広告と課金ビジネスの立ち上がりが売上げ増に貢献した。しかし、10年3月期の業績予想では、売上高は前期比7.9%増の130億円と増収を見込んでいるが、最終損益は12.7%減の17億円と減益を予想した。
減益についてミクシィは「8月からはじめる新サービス(ミクシィ・アプリ)への先行投資を見込んだもの」と説明。転職サイトの「Find job!」が求人広告市場の悪化で苦戦しているのも一因だ。
ミクシィの減益予想で、「ネット関連企業の成長は頭打ちとなった」「もう、広告頼みのビジネスモデルは成り立たない」との見方が台頭。ミクシィ自身の株価も、決算発表があった5月11日以降4日続落したほか、新興市場に上場するグリーやサイバーエージェント、エン・ジャパンやガーラなどの銘柄も一時下落した。
ネット関連企業の現状について、国際金融アナリストの枝川二郎氏は「ネット通販などの利用はまだまだ伸びる余地があることは間違いないので、まだ多くの売上げが見込める。しかし、ミクシィなどは間もなく『英語の壁』にぶつかるだろう。日本だけの、ローカルマーケットではおのずと成長に限界がある」と指摘する。