IT関連やネット関連株の上昇で、新興市場が久しぶりに活況を呈している。ネット関連企業の株価上昇の影響で、全体的に上向き傾向で、「勢いがついてきた」との見方も出てきた。ライブドア事件以降、長く低迷していたネット関連株。「回復」はホンモノなのか。
楽天、ネット通販の売上げ増に自信
2009年5月15日の東証マザーズ、大証ヘラクレス、ジャスダックの新興3市場の株価指数は、前日の急落の反動もあって、すべてで上向いた。東証マザーズは前日比3.17高の355.34ポイント、大証ヘラクレスは同5.42高の525.98ポイント、ジャスダックは同0.22高の42.17ポイントだった。
ジャスダックは5月13日まで5日続伸。マザーズは13日に年初来高値を更新したばかり。ヘラクレスも同11日に記録した年初来高値を、13日にさらに更新する好調ぶりだ。
かつてのライブドアがそうであったように、新興市場は良くも悪くもIT関連やネット関連企業の動向が左右する。楽天やミクシィ、サイバーエージェントといったネット大手が、最近の相場をけん引してきた。
ジャスダックに上場し、5月12日に09年1-3月期決算を発表した楽天の売上高(連結ベース)は、前年同期比11%増の663億円だった。トラベル事業やEC事業(ネット通販)が伸びたのが増加の要因。楽天は、「EC事業でいえば、たとえば酒類では地酒。トラベル事業では海外向けといったように、取り扱いが少ない商品、ブランドはまだある。細かいがそういうところを拾っていくことで、まだ伸びる余地は十分にある」といい、IR担当者は業績アップに自信をみせる。
楽天の5月15日の株価は、前日比100円高の5万500円。これで6日続けて上昇中だ。