「本人の取材はお受けしていません」
高まる世襲批判について、次男の進次郎氏は、どのように考えるのだろうか。
進次郎氏の事務所では、応対した職員が2009年5月14日に、「まだ(小泉元首相の)秘書ですので、取材はお受けしていません」と答えた。代わりに別の秘書が取材を受けるとしているが、この日午後は外出中とのことだった。
そこで、支援する横須賀市議らに話を聞いた。
ある保守系市議は、進次郎氏について、「地元では、世間で言われている世襲批判など、だれも言わないですよ。若いのに発言がしっかりしていて、評判はいいです。だから、後は、地域の代表として頑張ってもらうだけです」と言う。
また、自民党市議は、「世襲と言いますが、自民党支部で決定して推すことになった経緯はあります。麻生さんらが言っておられることは、誤解もあると思いますよ。会って話すとなかなか立派な人物です」と話す。
ともに、無所属や他の選挙区で出る可能性は否定し、地元11区に進次郎氏が出馬しても圧勝する見通しを示した。もっとも、さらなる地盤固めのために、様々な機会に顔を出して地道に活動をしているという。
一方、11区に出馬を予定している民主党の対立候補で弁護士の横粂勝仁氏(27)は、本人が取材を受けたうえで、それとは違う見方を示した。
「やはり世襲の一番象徴的な選挙区だと言われています。進次郎さんは、とても強烈な地盤、看板、カバンを持っていますね。現職の父親を持つ強みで、すでに用意されたパーティーやイベントに出席し、そこにたまたま来ているという形を頻繁に取っています。小泉ブランドの強さで、世襲批判は不利にはなっていないようです。ここだけは別ですね。政界で、父親の影響力が落ちていると言っても、メディアで取り上げられる影響はあります。こちらは、一番たいへんですが、一般の候補者として、ひたすら声を出して、自転車で回って名前と顔を浸透させるしかありません」