時間がかかると、支持が岡田氏に流れる?
まず、ネット上の声に目を向けると、例えばライブドアのアンケートでは、岡田氏を支持するのが37.12%なのに対して、鳩山氏は半分以下の15.26%。すでに不出馬を表明している前原氏(19.16%)すら下回っている。一方、ヤフーの政治コーナー「みんなの政治」では、5点満点の評価で、岡田氏は3.5点なのに対して鳩山氏は3点。やはり、岡田氏が優勢だ。
ネット以外でも、やはり岡田氏優勢だ。共同通信が5月11日から12日にかけて行った世論調査では、岡田氏支持が23.7%なのに対して鳩山氏は16.9%だった。
民主党内部でも、この傾向は見られるようで、読売新聞が同党の県連幹部を対象に行ったアンケートでは、新代表にふさわしい人物(複数回答含む)として岡田氏を挙げたのは13都県だったのに対して、鳩山氏は4県。トリプルスコアで突き放されている形だ。
この背景には、鳩山氏が3月29日の時点では「小沢氏の下での幹事長。殉じるときは殉じる」など述べた上で、自らが代表に就任する可能性についても否定的な発言を繰り返しており、これを覆す形になったことや、民主党が世襲候補制限に向けての取り組みを進めるなか、鳩山氏の「世襲度」が高いことへの反発があるのではないか、との見方もある。
このような状況から、「時間がかかると、支持が岡田氏に流れる。小沢氏が院政を敷くために、タイトな選挙日程をごり押しして決めた」との憶測まで出ているというのが現状だ。
このような状況を、朝日新聞政治部出身で、日本インターネット新聞社社長の竹内謙さんは、
「やはり投票まで短すぎます。反対意見を出す人が登場したりして、国民を巻き込んだ議論が行われた方が、『仕切り直し』としては良かったのでは」
と見る。さらに、
「自民党は、かつては完全に密室で人事を決めてきましたが、1970年代の福田・大平あたりから、『予備選』という形をとることで党勢拡大を図ってきました。先日の総裁選でも、麻生氏が勝つのは分かり切っていたのですが、形ばかりであっても、メディアの注目が集まるなどして、それなりに盛り上がるものです」
と、「茶番劇」と批判されることのある自民党の総裁選についてもそれなりの評価をする。また、竹内さんは、今回の民主党の代表選の進め方で、次期代表のリーダーシップに影響が出てくる可能性も指摘している。
「多少時間がかかったとしても、国民を巻き込む形でやるべきだったのでは。このままでは、5月16日に代表に選出された人は、(選挙をきちんとやれば多数出るはずの)他人からの意見を踏まえることなく、代表としての意見を言わざるを得なくなる。その結果出てくる意見や政策は、どうしても上から下の一方通行になりがちで、共感が得られにくくなってしまうのではないでしょうか」