公立高校の年間学費は40万円を超える
日高教が実施した「2008年度修学調査」によると、私立より授業料が安い公立高校とはいえ、授業料などを含めた学校納付金と制服や教科書などの各自購入金を合計した初年度保護者負担金の最高額は40 万円を超える。さらに通学費の負担も家計に重くのしかかっている。
授業料が払えないという理由で中退する生徒もいる。北海道の教諭は、「経済的な家庭の事情で2 人が定時制に転学、1人が中退した」と報告している。
調査は08年10月に実施、26道府県4政令市235校(全日制194校、定時制41校)が回答した。
そして、頼みの奨学金も厳しい。あしなが育英会は、
「急激な応募者増加で希望者全員には貸し出しができない状況だ」
と説明する。
母子家庭が増えている上に、母親の年間所得が年々減っていることが応募者増加の一因だ。
同会は保護者が自殺、病気や災害で亡くなったり、家庭の生活事情が苦しくて教育費に困っていたりする学生を対象に、学費と入学金にかかる費用の一部を無利子で貸し付けている。
また、アルバイトして何とか卒業できても、年間数百万円かかる大学や専門学校の学費までは払えない。
同育英会が08年12月22日~09年2月28日に母子家庭の高校3年生971人に行ったアンケート(回収率59.9%)で、就職希望者162人に理由を聞くと、「経済的に進学できない」(21.0%)、「家計を助けるため」(19.1%)と答えた。5人に2人が「生活苦」で進学をあきらめ、就職する実態が浮き彫りになった。