GCCは世界第5位の経済ブロックになり得る
もっとも原油や天然ガスの市場価格が持ち直していることもあってか、参加した中東産油国の関係者は概して前向きな発言が多かった。カタールのハッサン・カマル経済金融大臣は「カタールも構成国となっているGCC(湾岸諸国会議)加盟6ケ国が結束し、持てるすべての資源を正しい計画に基いて活用すれば、2018年までにはGCCは世界第5位の経済ブロックになり得る」と指摘、「カタールとしては人材開発とイノベーションリーダーの育成に投資する。湾岸地域としては経済の安定成長とインフラストラクチャーに投資し、経済統合と統一通貨形成を進める」と強調した。
世界経済は景気底入れへの期待が高まる中で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油取引価格(WTI)は5月に入り6月物が一時1バーレル58・57ドルをつけるなど半年ぶりの高値を連日更新している。カタール首長の発言は手厳しいが、フォーラムの議論では全体にゆとりを取り戻しつつある表情が伺えた。