新型インフル「騒ぎすぎ」 だが「秋の第2波こそ怖い」

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「批判の多くは、根拠が乏しい高校へのバッシング」

   カナダでの大阪の3高校は、対応が誤っていたといえるのか。

   理化学研究所の永井美之感染症研究ネットワーク支援センター長(ウイルス学)は、こう言う。

「9割の人がマスクをつけているのに、つけていなかったというのなら分かります。しかし、高校生たちがカナダに行ったころは、感染が拡大している環境ではなかった。そんな中で、全員がマスクをする行動は取れないでしょう。批判の多くは、根拠が乏しい高校へのバッシングですよ」

   現時点では、大騒ぎする理由はないとのことのようだ。

   永井センター長は、高校生らの停留や接触者の外出自粛については仕方がないとしながらも、政府は、物理的な限界を考え、行動計画を緩めるかどうかなど適切なシフトをすべきだと指摘する。

   しかし、永井センター長は、弱毒性という分類ができるのは鳥インフルだけで、今回の豚インフルはそうとは言えないと指摘する。「今回のウイルスは、ごく一部の患者ではっきりとした肺炎を起こしているようだ。その点で季節性インフルよりやや毒性が高いかもしれない」という。

   そのうえで、多数の死者を出したスペイン風邪の例を挙げて、こう警告するのだ。

「1918年春にアメリカで発生した第1波では、死者もあまり出ませんでした。しかし、その後おそらく突然変異で病原性が強くなって、第2波のピークとなった9、10、11月は、大量の死者が出たんです。そして、次の年の春に起きた第3波でも、死亡率は同様な高さでした。今回の新型インフルエンザも、同じ時期に始まっており、秋にも同様な第2波が起こりえますね」

   政府が着手したワクチンは、第3波しか間に合わない可能性もあるという。永井センター長は、「タミフルなどの薬剤が、第一の選択になりますね。インフルエンザは早期発見して、早期診断と治療をするのが優先事項になってくるでしょう」と話している。

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