「南田洋子『晒し者』にするな」という記事も
もうひとつの問題は、認知症患者がこうした放映を望んでいるかだ。
芸能界から上がっているのは南田さんの扱い。「週刊大衆」は09年5月11・18の合併号で「南田洋子『晒し者』にするな」という記事を掲載した。ファンから
「隠し撮りのようなことをして、彼女の人権はどうなるんだ」
という批判も出ている、としている。
先の日本認知症ケア学会によれば、テレビ局などからドキュメンタリーを作るため認知症患者を紹介して欲しいという申し込みがあるが、全て断っている、ということだった。患者本人が望めば別だが、望んでいるかどうかなど、わからないからだという。
実は長門さんも、南田さんの様子を放送してもいいのかどうか悩んだという。最近発売された著書「待ってくれ、洋子」に書かれている。初めは放送の誘いを断ったものの、老老介護の実態を知ってもらうべきだとし、バッシング覚悟で承諾したそうだ。しかし、その思いは、現実に認知症患者の介護に関わる人々には届かなかったようだ。