高齢者の犯罪が年々増えている
赤信号を無視して渡ったり、信号がなくても道路を横断する、といったお年寄りのマナー違反が目立つのはなぜか。
ある介護ボランティア団体は、
「高齢者だから(ネットに書き込まれたような)マナー違反をするという根拠はどこにもない。違反する人は年齢に関係なくいる。お年寄りだから、というのはあまりに偏った意見だ」
と反論する。
前出の車内トラブルに関するレスで、あまりにひどい場合、「認知症気味じゃないか」という指摘や、「精神的変化など何か理由があるのでしょう」とお年寄りの側に立つ人もいる。また、大声で話すのは耳が悪いためで、周りがやさしい目で見てあげられなくなり、高齢者が生き辛い世の中になっている、という意見もあった。
また最近は、高齢者の犯罪が急増していることも問題になっている。
「2008年版犯罪白書」(08年11月7日発表、法務省)によると、自動車運転過失致死傷などを除く一般刑法犯で検挙された65歳以上の高齢者は年々増え、07年は4万8605人に上った。高齢犯罪者の増加の勢いは、高齢者人口の増加の勢いをはるかに上回るという。
同書によると、高齢犯罪者の特性は、(1)親族から疎遠となり、単身で経済的にも不安定な状態が多い(2)高齢期特有の心身上の問題点や疾病を抱えている場合が多い(3)再犯を繰り返している者が多くいる、などが挙げられる。
その対策として、高齢者の生活の安定を確立した上で、社会の中で孤立させることなく安らぎと生きがいのある生活を提供することが重要である、と綴られている。