ヒットランク1、2位独占 「アニメ曲」席巻の裏事情

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   アニメ「けいおん!」のオープニング曲、エンディング曲がオリコンの2009年4月25日付けデイーリーシングルCDランキングで1位、2位を独占した。このアニメ、09年4月放送から原作のマンガ本がバカ売れ。登場キャラが持っている楽器まで注目されるなど社会現象化し始めているが、この日のオリコンランキングのトップ10のうち、なんと6曲がアニメ関連の曲。なぜなのか。

ランキングトップ10のうち6曲がアニメソング

   「けいおん!」はTBS系の深夜に放送されているアニメ。桜が丘高校に通う4人の女子高生が部員ゼロだった軽音部に入部しバンドを結成。秋の学園祭での演奏を目指し練習する姿などが描かれている。制作は京都アニメーションで、大ヒットした「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」に続く作品とあって、放送前から注目を集めていた。

   放送後すぐに人気が爆発し、原作のマンガ本がバカ売れ。ネット通版では品切れ状態になった。また、主人公はストーリーの中で25万円のエレキギターを購入するのだが、彼女たち4人が使っている機材は本格的だと評判になった。ファン達は登場キャラの使用機材を推理、ネット通販の「アマゾン」では、登場キャラクターが持っていると思われる楽器「関連商品」が、「けいおん!」のグッズだらけになった。「けいおん!」コーナーを設ける楽器店まで現れた。

   さて、このアニメのオープニング曲とエンディング曲のアーティストは「桜高軽音部」。同アニメのキャラクター4人が演奏と歌を担当している、という設定になっている。09年 04月 21日付のオリコンシングルデイリーランキングでは、3位と4位に初登場。同25日付けでは1位と2位を独占した。テレビ朝日系「ミュージックステーション」の09年4月24日放送のシングルランキングでは4位と5位に入り、キャラ4人が演奏する映像が流された。

   とはいっても、アニメソングがランキングのトップを席巻する、というのは特に珍しいことではない。かつては「ヒット曲はアニメから生まれる」などと言われ、人気バンド「B’z」や「L’Arc-en-Ciel」「ORANGE RANGE」がアニメのテーマ曲を担当し大ヒットをいくつも飛ばしてきた。しかし、ここのところ増えているのが、アニメのために作られたオリジナル曲を声優が歌い、大ヒットになる、というパターンだ。「らき☆すた」は声優が歌うオープニング曲が大ヒットしたばかりか、アニメに登場するキャラクターそれぞれのテーマソングまで作られ、ヒットランキングを駆け上っていった。

邦楽ジャンル低迷のせいで、アニメソングは拡大していない

   実は、09年4月25日付けのランキングでは、トップ10のうち、アニメ関連作品は6曲も入っている。そのうち、5曲は声優が歌っているもので、歌手が歌ったのはアニメ「ワンピース」のオープニング曲を歌った東方神起の1曲のみだ。

   CD売上げランキング上位をアニメソングが席巻していることについて大手レコード会社の担当者は、最大の原因はJポップと言われる邦楽ジャンルが低迷しているためだ、と話す。

「アニメソングの市場が拡大しているというわけではありません。Jポップが売れないことで、ランキングに異変が起きているんです。売れたといわれるアニメソングでも、結局、CDの売上げ枚数は数万枚、という事が多い」

というのだ。そのため、アニメソングは大事なジャンルではあるものの、アニメソングに今まで以上に力を入れるレコード会社は多くならない、と予想している。

   アニメに詳しいジャーナリストによると、アニメのCDは、ファンがコレクターズアイテムとして買う傾向が強く、ジャケットがアニメ、歌っているのが声優の場合は人気が高いという。そのため、有名な歌手が歌った場合、「アニメのイメージと違う」というクレームが出るようにもなっている。こうしたこともランキングの上位に声優が歌うアニメソングが来ることになる要因で、

「アニメソングの人気は揺るぎないものがあるが、Jポップが復活し以前のようにCDが売れるようになれば、固定のファンから支えられているアニメソングが、ランキングトップを席巻するような事態はなくなると思います」

と話している。

姉妹サイト