日立グループ弱電事業に「大ナタ」 「総合電機」の看板下ろすのか 

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「原点」である情報通信、電力、環境事業に傾斜

   変圧器の製作から起こった日立は2010年に創業100周年を迎える。未曾有の経営不振で川村社長は「原点回帰」を掲げている。「総合電機から軸足を移し、安定的な収益構造にする」とし、日立のこだわりでもあった「総合電機の看板を下ろす」と受けとめられている。

   「原点」とする事業は、情報通信システムと電力システム、環境や産業、交通システム、社会・都市システムで構成される「社会イノベーション事業」で、この事業への傾斜を深めて、より安定した収益事業の強化を図る。

   その一方で、弱電事業には「大鉈」を振うようだ。4月中旬には、三菱電機との共同出資の半導体子会社、ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスとの経営統合が浮上。日立は「当社が公表したものではない」とコメントしたが、ルネサス社に公的資金を注入して再編するとのウワサまで流れた。

   また、09年7月には薄型テレビなどのコンシューマ事業グループを分社化することを決めており、白物家電を含めたコンシューマ事業全体を視野に入れた事業効率の向上に向けた組織再編を検討していくとしている。

   事業部門の責任と権限を明確化するため、独立採算による「カンパニー制」を徹底するというが、それも「切り売りしやすくするだけ」のようにも見える。

   なにしろ国内外に880社もある巨大グループだ。しかも、どの関連企業も規模が大きく影響力は小さくない。「解体」するにも時間がかかるが、業界を巻き込む大再編に進みそうだ。

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