カジュアル衣料「ユニクロ」は、メガストア「ユニクロ新宿西口店」(東京・新宿)を2009年4月24日にオープンした。地下1階、地上4階建て、売り場面積は約580坪の都内最大級店舗として注目を集めている。また、銀座にある旗艦店の売り場面積を今秋にも1.5倍の700坪以上にすると発表。さらに、「最短5日」でできあがる、カスタマイズプリントTシャツを売り出すなど、あの手この手で攻勢をかけている。
オープン前の2時間に300人強が並ぶ
たくさんのお客で店内はごった返していた
店を訪れていた女性は計4品を購入
4月24日にオープンしたメガストア「ユニクロ新宿西口店」。平日にもかかわらず午前7時から9時までに300人強が並んだ。
売り場面積は約580坪(地下1階、地上4階)という都内4番目となる大型店で、女性用アイテムを中心にメンズ、キッズ、ホームとフルラインナップが揃う。
店を訪れていた練馬在住の30歳代女性は「安いから何枚でも買える」と話し、1390円の部屋着を2点、2枚で2990円のTシャツの計4点を購入。セール品のポロシャツ(990円)を4点買ったという20歳代女性は、はるばる長野から来たという。台湾から留学中の男性は初めて見るユニクロに、「材質がいい」と驚く。たくさんのお客で店内はごった返し、12時から入場規制が行われた。
「客数が多い東京・銀座店よりもさらに多くの集客を見込んでいる。国内NO.1を見込めるだけの立地だ」(広報担当者)
オープンセールも実施している。4月26日まで1日1000人限定のスペシャルプライス商品を用意するほか、28日まで人気アイテムのブラトップ(通常価格1990円、1500円)を990円で提供する。
ユニクロは09年2月にも新宿に新店舗を出店したばかりだ。2月27日にオープンしたファストファッション館「新宿マルイ カレン」に、丸井と初のコラボレートによる「ユニクロ 新宿マルイ カレン店」を展開している。
初の「ガールズコンセプトショップ」(女性専門店)として他店よりも早く新商品を投入し、ファッションに敏感な若い女性を取り込む。
また、標準店舗よりも売り場面積が2.5~3倍近くあるメガストアを今後3年以内に現在の約60店から200店に拡大する方針を4月23日に発表した。
東京・銀座にある旗艦店の売り場面積を今秋に1.5倍の700坪以上にするほか、東名阪のターミナル駅を中心に増やす。
店舗拡大にとどまらず、商品開発面でも挑戦が続いている。
「最短5日」で完成するプリントTシャツにも進出
一方、ユニクロはTシャツ、パーカーなどに好きな文字やデザインをプリントできるサービス「UNIQLO CUSTOMIZE(ユニクロ カスタマイズ)」を09年4月23日に始めた。
以前のシステムでは3週間程度かかっていたが、今回、最新のインクジェットプリントの導入と受注システムの効率化により、注文から納品までにかかる日数を「最短5日」に短縮した。
インクジェットプリントの特徴は原版を作成する必要がなく、コストが抑えられ、1枚からの注文にも対応できる。
1枚注文した場合の加工費は、片面のみのプリントで1500円(ライトカラー)。たくさん注文するほどお得になり、2~10枚で1000円(1枚あたり)、11~30枚800円、31~50枚600円、51枚以上500円だ。本体価格(Tシャツ1000円、パーカー1990円、ポロシャツ1990円など)と併せても、低価格で作れる。
「早い」「安い」に加えて、デザインにもこだわった。
エンブレム風、ハート型、吹き出し、といった28のデザインパターンから選ぶ。フォントは45タイプ、文字の色は112色を用意している。
注文は専用サイトから。Tシャツ、ポロシャツ、パーカーなどプリントするアイテム、デザインパターン、フォントを選び、好きな文字を入力する。画面で確認しながらデザインを決められる。
これを見ても分かるように、最近のユニクロはデザインにもこだわっているようだ。
春夏に需要が高まるTシャツの新作も続々と出ている。東京・原宿にあるTシャツ専門店「UT STORE HARAJUKU」で、ジャパニーズゲーム、アニメをテーマとし、国内外のデザイナー、企業とコラボしたTシャツを09年4月からラインアップしている(全31コンテンツ以上、年間で1000万枚以上展開予定)。
09年秋には欧州高級ブランド「ジル・サンダー」創業者でドイツ人ファッションデザイナーのジル・サンダー氏とのコラボ商品を出すことも予定されている。