新潟県の中学生フットサル大会で、6連続オウンゴールして負けるよう指示をしたフットサル部コーチである教頭に対して、日本サッカー協会は「著しい違反行為」として処分。また、新潟県教育委員会も減給1か月の懲戒処分を下した。
12か月のサッカー関連活動の停止
この問題は、2009年1月に行われた「新潟県選抜中学生フットサル大会」で起きた。新潟県立A中学校は予選リーグ3試合あるうちの予選2試合を連勝。すでに決勝リーグに進出することは決まっていたが、残りの1試合に勝ち1位通過した場合、決勝トーナメントの相手が過去に負け越している相性の悪いチームになる。
そこで、フットサル部コーチを務めていた教頭は生徒に対して、わざと負けるように指示し、2位通過を目指した。生徒(選手)はこの指示を受けた試合開始直後、故意に6連続でオウンゴールを決めた。その後、審判の注意、相手チームからの抗議があったが、大会規定に抵触する行為でなかったことから試合は続行、A中学は狙い通り0-7で敗れた。なお、同校はその後の決勝トーナメントでは1回戦で敗退した。
この「故意による敗戦」に対して、日本サッカー協会は2009年4月9日に行われた理事会で、オウンゴールの指示をした教頭に対し「12か月のサッカー関連活動の停止」を下した。競技及び競技会における罰則基準のうち、「チームによる著しい違反行為」に該当したためだ。
「相手に対する敬意が感じられない。大変失礼」
さらに、これらの問題を受けて、新潟県教育委員会は2009年4月22日、教頭を減給1か月(10分の1)とした。生徒や保護者に対する信頼を失墜させたことが理由だ。同教育委員会にも「責任を取らせるべき」とのメールや電話による抗議は複数件、寄せられていたという。
ネット上でも、
「まだ中学生なんだからまっすぐな勝負をさせるが教育だと思うね」
「相手校に失礼すぎるし、スポーツマンのやることじゃないだろう」
「相手に対する敬意が感じられない。大変失礼」
などと非難する意見が書き込まれている。
問題の県立A中学校の校長はJ-CASTニュースに対して、「教頭はフェアプレーの精神が無かったことについて、深く反省しています。相手チームへの配慮に欠けていたし、生徒たちに申し訳ない」と反省の弁を話した。ちなみに、同校のフットサル部は現在、生徒(選手)同士でフェアプレーを誓い合い、再スタートをきったばかりだという。