「家で快適に過ごす」がキーワード 「巣ごもり消費」「内食回帰」で売れるものは 

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   長引く不況下で、外出を控えて休日を家で過ごす人が増えている。結果、「巣ごもり消費」「内食回帰」の傾向が強まり、売れているのは自宅で快適に過ごすための商品だ。外食を控え、スーパーマーケットで食材を買って調理する人が増えたため、おいしく作るためのこだわりアイテムが男性中心に売れている。不況を機に、家で過ごすことが見直されているといえば、もっともらしく聞こえるが。

8~9万円台の高機能炊飯器が男性に人気

   「巣ごもり消費」とは家庭内で完結する消費行動のことである。外食せずに食材を買って自宅で調理する「内食回帰」、娯楽に関しても自宅で映画のDVDを観る巣ごもり生活。

   大手スーパーマーケットが2009年2月期連結決算で軒並み減益となる一方、食料品を中心としたスーパー「マツエツ」は2期連続、「ライフ」を運営するライフコーポレーションは5期連続でいずれも営業最高益を出した。

「調理家電が最近売れていて、2~3割増と好調です。8~9万円台の高機能炊飯器や家でパンを焼けるホームベーカリー、焼き肉からたこ焼きまで作れるホットプレートといったこだわりのあるタイプが売れています。男性のほうが高機能タイプを買う傾向があり、外食するよりも毎日のごはんをおいしく食べたいという人が増えているようです」

と話すのは大手家電量販店「ヤマダ電機」の広報担当者。

   大型冷蔵庫も売れている。安い時に食材をまとめ買いして、冷凍保存する。冷凍庫が大きいものや、ラップなしで野菜を新鮮に保存できるタイプが人気だ。高機能の冷蔵庫はファミリー向けの大型タイプに限られているが、その小型を独身男性も買っていくそうだ。

娯楽はDVDとネットショッピング

   外出すると何かとお金がかかるので、娯楽に関しても巣ごもり傾向にある。

   大手レンタルショップ「TSUTAYA」は、インターネットで予約するとDVD、CD、漫画を自宅に届けるサービスをやっている。新規ネット会員が09年1月前月比103%、2月同比110%と増え、3月末現在で65万人になった。ネットレンタルの主な利用者は、首都圏在住の30歳代だ。

「店舗の利用状況は横ばいですが、不況下でも手軽に楽しめるエンターテイメントとしてネットレンタルの需要が強い」(広報担当者)

   より高画質でDVDが観られるブルーレイプレイヤーも売れている。地デジ対応の薄型テレビも値段が下がり、単身者でも30型以上の大型を買っていく(ヤマダ電機)。

   ネットショッピングの利用頻度も上がっている。

   カジュアル衣料を中心に、部屋着、パジャマ、下着など扱う通販大手のニッセン。カタログとネットから注文できるが、ネット経由の売上げが伸び、09年1月は111.9%、2月111.9%、3月114.2%。09年1~3月の全体での新規会員は前年同期比7%強増えた。

   調査会社マクロミルがネットショッピングをしたことがある20~59 才の男女に実施した調査(2009 年3 月17日~18日)によると、49%が最近1年間のネットショッピングの利用頻度が「増加した」と回答した。「変わらない」は43%、「減少した」は8%となり、巣ごもり消費が広がっている様子がうかがえる。

   増えた理由は、「安い商品が多いから」が56%で最も多く、「ポイントが貯まってお得だから」(50%)が多いが、「外出すると外食や交通費などの出費が増えるから」(20%)と続くあたりがフトコロ具合を物語っている。

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