5年後には新ブランドも
「新潟のコメは地盤沈下で危機的状況にある」
「他の産地が必死で努力してきたなかで、コシヒカリにあぐらをかいている」
「いま、対策を打たないと、極限のない縮小スパイラルに陥る」
研究会事務局は「もちろん、コメ農家が努力していないというわけではないんです」と話すが、研究会の委員らの言葉は辛らつで、JA新潟中央会に猛省を促している。
答申では課題も明らかにされ、そのポイントは「価格と味のバランス」と指摘している。まずは、お米の味を均一にする規格の統一。コシヒカリは暑さに弱いこともあり、「昨今の地球温暖化の影響もある」とされる。それによって、県内産地によって「おいしさ」に違いが出てしまう可能性が高まっている。
そのため、「できるだけ味に違いがでないよう、バラツキをなくして『おいしさ』を統一して消費者に届ける努力が必要」(事務局)という。
お米の品質の「差」が改善されれば、北海道米のように業務用としてのニーズにも多く応えられるとみている。
もう一つは品種改良。こちらは北海道米に大きくおくれをとった。北海道米は「きらら397」や「ななつぼし」、さらに08年秋には「おぼろづき」と「ふっくりんこ」を投入するなど、品種改良に成功し、お米のバリエーションも増やした。
新潟米も、08年から県をあげて品種改良に取り組んでいるが、新たなブランド米を立ち上げるには、「少なくとも5年はかかる」と話す。
コシヒカリ一辺倒を見直して、「割安で、おいしい」新たなブランド米の開発、生産に力を入れていく。