男性ファッション誌にも付録がつく
一方、女性ファッション誌ばかりでなく、男性ファッション誌にも付録がついくケースもある。宝島社「smart」5月号には、サルをモチーフにした人気ブランド「A BATHING APE」とコラボした靴下2足がついた。ブランドロゴのワンポイントがついており、見た目には店にも置かれていそうだ。また、ワニブックスのファッション誌「COOL TRANS」5月号には、人気バンド「ドラゴンアッシュ」とコラボしたエコバッグがついた。
「COOL TRANS」の編集長の里見真人さんによると、同誌ではここ5年ほど基本的には毎号付録をつけているという。単純な比較はできないとしながらも、付録を付けなかった号ではやや売れ行きが悪かったそうだ。読者からの要望も多いらしく、「読者アンケートを見ると、8~9割は付録を付けて欲しいと希望しています」と明かす。
実際、付録が楽しみだという読者は多いようだ。ある主婦はブログで、ターゲットの違う層の雑誌でも付録ほしさについ衝動買ってしまったと告白している。ほかにも、「雑誌の値段から考えると、だいたいの付録は『こんなの付けていいの?』っていうぐらいクオリティが高いです」「どれもこれも、心ときめく付録ばかり。(略)結構使い勝手も良いのよね!大満足しております~♪」といったカキコミもある。
出版業界の調査研究を行っている「出版科学研究所」の担当者は、「雑誌に付録がつき始めたのは、付録に関する基準が緩和された2001年以降です。以来、その点数は増えています。お得感もあることから、付録目当てに買う人は多いはずです」と話す。
一方、前出のファッション誌「COOL TRANS」の里見編集長は、雑誌の付録をこう見ている。
「ネットで情報がとれる時代になった。だからこそ、雑誌にはプラスαが求められていると思います。もちろん誌面の内容もさることながら、付加価値をつけるためには付録も重要でしょう。将来的にはもしかしたら、雑誌には付録がついて当たり前――そんな風になるかもしれませんね」