大物テクノバンド「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」が26年ぶりに日本で「復活」することになった。これまでメンバー3人が一緒に活動することはあったが、「YMO」の名前は封印していた。なぜ復活なのか、ネットではいろいろ憶測も出ている。
「YMO」という名前は日本では使っていない
「YMO」は高橋幸宏さん(56)、細野晴臣さん(61)、坂本龍一さん(57)によるテクノバンドで1978年に結成。楽曲「テクノポリス」「ライディーン」と続け様に大ヒットを飛ばし、彼らが奏でる電子音はもとより、その髪型、服装まで真似る若者が続出。社会現象にまでなった。「散開(解散)」したのは83年だが、日本の音楽に与えた影響は非常に大きく、以降、メンバーの3人はソロでも活躍してきた。
そんな3人が、26年ぶりに日本で「YMO」として登場することが決まった。09年8月9日に東京・夢の島公園陸上競技場で開催される野外ライブイベント「ワールド・ハピネス2009」がそれだ。
ただし、この26年間、メンバーの3人が一緒に活動することはあった。その時のバンド名は「xYMO」、「ヒューマン・オーディオ・スポンジ(HAS)」、「HAS YMO (ハシモ)」であり、「YMO」というオリジナルの名前は日本では使っていない。
今回の「YMO」としてのライブは、高橋幸宏さんの呼び掛けで実現したのだそうだ。どのバンド名で出演するか、となったときに、高橋さんが、
「名前はイエロー・マジック・オーケストラでいいよね?」
と2人に言ったところ、あっさりと決まってしまったという。
「バンド名のこだわりがなくなった」が真相
高橋さんの所属事務所オフィス・インテンツィオによれば、日本では「YMO」を使っていなかったものの、海外公演では何度か使われていたそうだ。日本で使わなかった理由は、3人が一緒に演奏したいと考えたとき「YMO」を名乗ると、「再結成だ!」といらぬ騒ぎになることが想定され、それを避けるのが目的だったという。
しかし、海外では「YMO」の知名度はいまだに高く、08年6月に行われた28年ぶりのロンドン公演では、「YMOで出演してほしい」というオファーがあった。
「昨年もYMOの名前でロンドンのステージに立っていますので、既に、日本でどの名前にするか、などというこだわりは無くなっているのだと思います」
と同事務所ではJ-CASTニュースに説明した。
もっとも、今回の「YMO解禁」には様々な憶測が出ていて、テクノポップアイドル「Perfume(パフューム)」大人気に代表される「テクノブーム」に嫉妬、触発されたのではないかという見方だ。日本のテクノの元祖は自分達であり、「おちゃめ」な3人だからこそ、改めてその存在を示そう、というのではないか、というものだ。そのためか、掲示板を検索してみると、「パフューム」との関連するカキコミが見られ、
「前座にパフューム呼んで」
「パヒュームが歌ってYMOが演奏するのがいいのでは」
「ジジイパヒュームですね よ~くわかります」
などというものもある。
ちなみに、事務所によると、「パフューム」や、日本のテクノブームとの関係は「全くない」とのことだった。