08年12月の利下げ以降、ハト派的政策を連発
関係者によると、「変身」のきっかけとなったのは08年12月の利下げだったという。白川総裁は利下げに慎重だったが、金融政策決定会合の初日の議論でメンバー8人のうち4人が利下げに積極的と判断。真二つに割れるのを避けるため利下げを呑み、「これ以降、妙に吹っ切れてハト派的な政策を連発するようになった」(日銀関係者)。
もっとも、日銀が買い取る対象のCPや社債は高格付けの銘柄に絞り、劣後ローンを引き受ける対象も大手行などに限定した。このため、「日銀の損失リスクは事実上ない。『金融政策が趣味』の学者らしく危機対応の政策をあれこれ並べただけ」(日銀有力OB)との厳しい指摘もある。政府・与党にも「もっとリスクをとるべきだ」との不満がくすぶっており、白川総裁の「変身」が本物かどうか、試されるのはこれからだ。