夕刊紙「内外タイムス」が紙面のリニューアルにともなって、ストリップやキャバクラ、風俗情報など、いわゆる「エロ」ネタの掲載を取りやめた。オーナーの意向が反映されたという、関係者からは今後をいぶかる声も漏れ聞こえる。
「相当の資金的な余裕があるのでは?」
「内外タイムス」の紙面から風俗情報などが消えた
夕刊紙「内外タイムス」から風俗関係の情報が消えたのは2009年4月6日。これまで同紙には4~5ページほど、ストリップ記事や風俗情報、3行広告と呼ばれる風俗広告が掲載されていた。今では政治、経済、芸能スポーツ、ギャンブルの話題が中心だ。
今回の刷新は、オーナーの意向が強く働いたらしい。関係者らの話によると、内外タイムス新聞社は2008年11月、不動産事業を手がけるアムスインターナショナルに買収された。その際、オーナーが風俗広告の掲載不可を掲げ、「今後、内外タイムスは日経的な夕刊紙を目指す。政治と経済に力を入れていく」と訓辞したといわれている。
この路線変更に関して、夕刊紙事情に詳しい関係者は「夕刊紙はふつう、風俗広告が収入の中心だ。にもかかわらず、風俗広告をなくしたのは、相当の資金的な余裕があるのでは」と見る。一方、ある関係者も、「エロとギャンブルで売っていた『内外タイムス』の読者は、『エロ』目当てに買う人が多かったわけです。しかも、風俗の広告は収入のメインでもありましたから今後、読者はついていくのか、収入をどうするのか、疑問ですね」と話している。
内外タイムスに今回の紙面刷新の件で取材を申し込んだところ、「コメントを差し控えたい」とのことだった。
「内外タイムス三行広告」サイトのPVは増加傾向
そんな中、内外タイムス公認として、風俗情報の広告などを掲載しているウェブサイト「内外タイムス三行広告 本家」のPVは増加傾向という。2006年にオープンしたこのサイトの特徴は、同紙の「三行広告」などをウェブ上でも同じレイアウトで見せていることだ。内外タイムスに掲載された風俗記事が、写真とともに転載されたページもあった。
サイトを運営するプランニングオフィス・エーの担当者は、「ネットの方には広告を掲載したいという、広告主からのオーダーが増えています。紙面に載せられなくなったので、というわけです。また、PVも若干数ですが増加傾向です。いずれも、紙面からネットに流れてきたのでしょう」と明かす。
ただし、「これまでは『内外タイムス 公認』としてやっていましたが、紙面から風俗広告が無くなってしまったため、今後、『公認』の看板がこれからも続くのかはわからない」ともいう。「内外タイムス」の看板がなくなってもサイト自体は続けていくというものの、集客にはやや心配といった様子だった。ちなみに、内外タイムスから転載していた風俗記事のページは現在、同社が独自に制作したものを掲載するなどして対応しているとのことだった。